2010年4月
学校法人 追手門学院
学院長 竜田 邦明
追手門学院は1888年(明治21年)に創設された大阪偕行社附属小学校を起源としており、2008年に創立120周年を迎え、11月7日に大阪城ホールにて記念式典を開催致しました。
追手門学院は創立120周年記念事業の一環として、2006年から3年間に渡り、大阪城公園の自然や生きものを調査研究する「大阪城プロジェクト」を推進してまいりました。これに引き続き2008年12月より2年4ヶ月の計画で「上町学プロジェクト」を、関西経済同友会と提携して行っております。
上町台地には豊かな歴史遺産や古典文化が存在しておりますが、まだまだ知られていない側面があります。上町の再発見、「古都おおさか」の発見は、大阪の歴史や文化にとって、また現代の私たちにとって極めて価値のあるものと考えております。
上町で生まれ育った追手門学院の事業として、このプロジェクトを推進してまいりますので、市民、行政、関係団体の方々のご支援、ご協力をよろしくお願い致します。
2008年12月
上町学プロジェクト
座長 河内 厚郎
120周年を迎えた「追手門学院」の名称は、世界の三大石造建築物の一つとも言われる石垣を有する、大阪城の表門を、追手門と呼んだことに由来しています。学院の記念事業「大阪城プロジェクト」では、大都市の自然や都市公園のあり方を考えていこうと、大阪城公園に生息する生物の種類やその生態について調査研究を行ってきました。
大阪城が立地する、上町台地の歴史は古い。難波の堀江(現・大川)が開削され仁徳時代(4~5世紀)には高津宮が建てられ、6世紀末には日本最古の官寺・四天王寺が建立されました(工事を担当した「金剛組」は現存する世界最古の企業です)。7世紀に入ると日本最古の官道である「大道」がつくられ、大化改新(645)に伴う難波遷都では本格的な都市インフラ(難波宮)が築かれ、中世末期には本願寺の寺内町が栄えて、一大宗教都市の相貌を呈したこともあります。江戸時代から近現代に至る歌舞伎名優の墓所が集中するゾーンなど、歴史の堆積から成る豊富な観光資源が潜在しています。長い伝統からデザインされた新しい観光スポットも形成されつつあります。
そんな上町台地の都市資源を開発して「古都おおさか」の魅力を世界に発信していく活動の中核として、私たちは「上町学」を提唱したいと考えています。大阪城の三の丸に位置する追手門学院大手前中・高等学校は上町台地の世界遺産への登録をめざす市民運動に共催してきました。しかし、そこへ「上町学」の成果を提供していくうえで、大阪城天守閣をバックにして建つ「大阪城スクエア」の果たす役割は大きいと言えます。能や浄瑠璃など古典芸能に関わる人材も輩出してきた追手門学院にとって「大阪城プロジェクト」・「上町学プロジェクト」事業は地域社会や大阪文化への貢献を果たすものとなるでしょう。
